【中学生の親御さんへ】アナログ時計が読めない?
キャッシュレス時代が奪う「日常の学び」と家庭教育の重要性
こんにちは。
京都市西京区桂の進学型個別補習塾「遊学館」の鶴崎です。
指導歴20年の経験の中で、本当に数多くの子どもたちと教室で向き合ってきました。
その中で、ここ数年、ある「明確な変化」を痛感しています。
それは、「一昔前なら、日常生活の中で自然に身についていたはずの当たり前の知識」が
乏しい子が急増しているということです。
現在中学生のお子さんをお持ちの親御さんの中にも、
「うちの子、算数や数学の文章題がどうも苦手で…」と悩んでいる方は多いかもしれません。
実はそのつまずきの原因は、意外にも「就学前の日常体験」まで遡るケースが
非常に増えているのです。
今回は、現代の子どもたちを取り巻く環境の変化と、
これからの時代に求められる家庭教育の重要性についてお話しします。
アナログ時計とおつりの計算が苦手な子どもたち
今の時代、子どもたちの身の回りから失われている代表的なものが2つあります。
・アナログ時計の存在
・現金での買い物(おつりの計算)
スマホやゲーム機、テレビの隅に表示されている時間はすべて「デジタル」です。
また、買い物を頼んでも、ピッとかざすだけのキャッシュレス決済が当たり前になりました。
私たちが子どもの頃は、「長い針が6になるまで遊んでいいよ」と親に言われ、
時計の針の角度を見て「残り時間の感覚(量感)」を自然に養っていました。
また、100円玉を握りしめて駄菓子屋に行き、「40円のお菓子を買ったら、おつりはいくらかな?」
と頭の中で自然と引き算のトレーニングをしていました。
しかし今、この「日常の中での無意識の学習機会」が、
便利さの代償として完全に奪われているのです。
「そのうち覚えるだろう」が通用しない時代
親御さん世代の感覚からすると、
「時計の読み方やおつりの計算なんて、放っておいてもそのうち生活の中で覚えるだろう」と
思いがちです。
私たち自身がそうやって育ってきたからです。
しかし、現代の環境で親が意図的に教えずに放っておくと、
子どもたちは低学年の算数でいきなり高い壁にぶつかり、苦戦を強いられることになります。
・時計が読めないため、「時刻と時間」の計算(例:〇時〇分の40分前は?)が全く理解できない。
・現金のやり取りをしたことがないため、「1000円札を出して350円の買い物をしたらいくら戻るか」
という文章題を、ただの無機質な数字の羅列としてしか捉えられない。
こうした「量感」や「実生活と数字の結びつき」が欠落したまま中学生になると
どうなるでしょうか?
数学の「速さ・時間・道のり」の計算や、理科の「質量パーセント濃度」のような抽象的な概念が
出てきたときに、頭の中でイメージができず、完全に手が止まってしまうのです。
意図的な「家庭教育」が中高生の土台を作る
このお話でお伝えしたいのは、「だから今の若い子は…」という嘆きではありません。
「時代が変わったのだから、親の意識とアプローチも変えなければならない」ということです。
今の時代、ひらめきやセンスではなく、「準備したかどうか」がそのまま結果に出ます。
就学前や低学年の時期に、親が意識して「アナログ時計を一緒に読む」「現金で買い物をさせてみる」
「一緒に料理をして計量カップで量る」といった経験を積ませる家庭教育の重要度は、
私たちが子どもの頃とは比べ物にならないほど増しています。
中学生になってから数学で苦労しないためには、
こうした「数字をリアルな感覚として捉える力」が絶対に必要です。
すべての学びは「独学力」へと繋がる
私が日々の指導で中高生に一番身につけてほしいと願っているのは、目先のテストの点数ではなく、
どんな環境下でも自分で人生を切り開いていける「独学力」です。
しかし、その独学力を発揮するためには、土台となる「基礎的な実感(量感)」が不可欠です。
もし、現在中学生のお子さんが数学の文章題や図形などで極端につまずいている場合、
もしかすると「公式を覚えていない」のではなく、「日常の感覚と数字が結びついていない」ことが
原因かもしれません。
時代がどれだけ便利になっても、子どもが成長するプロセスそのものを
ショートカットすることはできません。
ぜひ、ご家庭での「ちょっとした日常の体験」を、これまで以上に大切にしてみてください。
遊学館では、「塾の宿題をなくす」代わりに、
塾にいる間に「できるまでやり切る」環境を徹底しています。
ご家庭では体験を通して土台を作り、塾ではその知識を確固たるものにする。
そんなサイクルを一緒に作っていけたら幸いです。














