「基礎はできるのに、応用問題が解けない」の致命的な勘違いとは?

【中学生の勉強法】

「基礎はできるのに、応用問題が解けない」の致命的な勘違いとは?

中学生のお子さんをお持ちの保護者の皆様、こんにちは。

日々、お子さんの学習サポート、本当にお疲れ様です。

毎日のように保護者の方から学習相談を受けますが、その中で最も多いお悩みのひとつがこれです。

「うちの子、基礎はできているんですけど、応用問題になると手が止まってしまって…思考力がないんでしょうか?」

テストの点数が伸び悩み、机に向かってフリーズしている我が子を見ると、

そう思ってしまうお気持ちは痛いほどよくわかります。

しかし、塾長としてこれだけははっきりお伝えさせてください。

「応用問題が解けない=思考力がない」というのは、致命的な勘違いです。

お子さんの思考力やセンスが足りないわけではありません。

本当の原因は、「脳の作業台」がいっぱいになって、パンクしているからなのです。

応用問題でフリーズする「本当の理由」

人間の脳には、情報を一時的に置いておく「作業台」のようなものがあります。

実はこの作業台、私たちが思っているよりもずっと狭く、

同時に処理できる情報は「3〜5個が限界」だと言われています。

応用問題というのは、複数の条件や知識を組み合わせて解く問題です。

当然、作業台の上にいろいろな情報を広げて考える必要があります。

では、なぜお子さんの手が止まってしまうのでしょうか?

それは、基礎を思い出すことだけで、脳の作業台を100%使い果たしてしまっているからです。

たとえば、数学の応用問題を解いている最中に、

「えっと、ここのマイナスとマイナスをかけると…プラスだっけ?」

「この英単語の意味は、たしか…」

「6×8は…えっと、48!」

このように、九九や符号の計算、英単語の意味を一瞬でも「えっと…」と思い出している状態は、

非常に危険です。

その「思い出す」という単純な作業だけで、脳の狭い作業台はあっという間に空き容量ゼロに

なってしまいます。

作業台がパンクしている状態では、複数の条件を組み合わせるような高度な「応用」のアプリなど、

物理的に起動するはずがないのです。

「基礎ができている」の基準を間違えないで!

ここで、もう一つ大きな落とし穴があります。

それは、お子さんも保護者の方も、

「基礎ができている」のハードルを低く設定しすぎているということです。

・「時間をかければ計算問題は正解できる」

・「ヒントをもらえば英単語の意味がわかる」

もしこれが「基礎ができている」状態だと思っているなら、今すぐその基準を捨ててください。

「時間をかければ解ける」は、厳しいようですが「基礎ができていない」のと同じです。

本当の意味で基礎ができている状態とは、「何も考えなくても、反射で手が動く」状態のことです。

スポーツで例えてみましょう。

バスケットボールで、ドリブルをする時に「えっと、手のひらのこの部分でボールを押し出して…」

と考えているうちは、周りの敵の動きを見たり、味方にパスを出したりする「応用」のプレイは

絶対にできませんよね。

何も考えなくても勝手に手がドリブルをしてくれるからこそ、

次のプレイを考える余裕(=脳の作業台の空き容量)が生まれます。

勉強もこれと全く同じなのです。

お子さんを「応用」へ導くために

「うちの子は応用問題が苦手だ」と焦って、難しい問題集を買い与えるのは逆効果です。

お子さんが応用問題で手が止まっているのを見つけたら、

「どこで脳の作業台がパンクしているのか?」を観察してあげてください。

多くの場合、つまずいているのは思考力の部分ではなく、

その手前にある「計算のスピード」や「単語の瞬発力」です。

・「わかる」ではなく「即答できる」を目指す

・九九や基本の計算、英単語は「反射で手が動く」まで繰り返す

この2つを徹底するだけで、脳の作業台に「空きスペース」が生まれます。

空きスペースさえできれば、お子さんが本来持っている「考える力」は自然と働き始め、

応用問題にも立ち向かえるようになります。

お子さんの可能性は無限大です。

まずは焦らず、「反射レベルの基礎」を一緒に作っていきましょう!